楽しく生きたい

30代都内くたびれたリーマンが日々思うことをつらつら書いていきます

初めてのアルバイトは税務署で確定申告のお手伝いをする仕事でした。働く意味を知りました。

高校3年時のことです。大学の推薦合格が早々に決まったので、私は2月から早めの春休みに入りました。叔母が税務署の職員をしていたので、税務署でアルバイトをすることになりました。他にも数名アルバイトがいました。私たちの仕事は、確定申告用紙の配布、受付、書類の仕分け、コピー、郵便物の発送、お茶くみ、宴会準備など様々です。

確定申告とは大きく分けて2種類あります。お店や会社を経営している人が納税をするために申告する場合と、サラリーマンなどが医療費控除や住宅取得控除を受けて税金を還付してもらうことです。お店や会社を経営している人は税理士などに日頃から相談していて、理解している人も多いです。還付を受けようとしている人は、詳しい人の方が少ないのです。

パソコンも今ほど普及していなかった時代だったので、確定申告は電卓片手に手書きの作業でした。今も税務署は混雑していますが、もっと混雑していて、とても忙しい部署でした。テレビやラジオで医療費控除の話をとりあげると、来所される方がぐっと増えます。とりあえず来られた方も多くて。ほとんど説明のないままに受付をやることになった私たちは大混乱でした。もっと勉強するなり、教えてもらうなりすればよかったと思います。忙しそうな職員さんにやっとのことで伺ったことをメモして置いておいたら、掃除の方に捨てられてしまった事もありました。悲しい気持ちでもう一度メモを書き、「捨てないでください」と書いて貼り付けるました。

あいまいにしかわかっていないのに、申告用紙を取りに来た方に「給与一カ所ですか。年末調整お済ですか」「医療費控除ですか」と言うのは良くなかったなと思いました。

職員の方も忙しすぎて、基本的なことなど教えている暇がありませんでした。公務員ですが、私のいた麹町税務署の職員さんは、堅苦しいところやお役所仕事な感じはありませんでした。

書類の仕分けやコピーは指示を受けてそのまま行えばいいことです。郵便物の発送や郵便物を開封するなどは誰でも出来る仕事ですが、量がとても多いので、アルバイトが必要なのです。

誰でも出来る仕事がほとんどで、難しいことではありませんでしたが、それまでは学生で他者になにかをする経験が全くなかったので、いかに自分が受け身の存在であったことがわかりました。働くことは他者に働きかけることなのだと実感しました。誰かの役に立てることはうれしいことだと、働く意義はここにあると実感しました。

3時になると職員の方にお茶を入れました。安いお茶をただ入れるだけですが、たった一杯のお茶で職場の空気がなごみました。お茶の力は偉大であることがわかりました。これがわかったので、お茶くみをバカにすることはありません。時には所長からお菓子を頂いてお茶の時間に食べることもありました。

私がアルバイトをしていた2か月の間に3回も職場で宴会がありました。職場で行うので、コップや紙皿、お箸をならべ、お酒を用意し、おつまみを並べました。大変でしたがおもしろかったです。だんだんと職員さんのお茶やお酒の好みがわかってきました。ちょっとしたことで喜ばれるので、面白いと思いました。

大学に進学してから他でアルバイトしたり、就職した後もこの時の経験がいきています。転職をするときは確定申告をしたので、2,3万円還付を受け取ることが出来ました。

税金や確定申告についてもっとわかりやすく説明する工夫は必要だと思いました。

就職や転職をするたびに誰かの役に立てること、やりがいを感じられることを基準に仕事を選んでいます。今では確定申告もパソコンでできるようになりましたが、アルバイトは必要なようです。