楽しく生きたい

30代都内くたびれたリーマンが日々思うことをつらつら書いていきます

北海道札幌市西区、西野小学校時代の帰り道、道路一本隔てて一緒に登下校した女の子の話

北海道札幌市西区の山の中にある西野小学校に6年間通っていました。山と川がすぐそばにあり、遊ぶには困らないが、熊が出ることがよくあり、その際には集団登下校を行う地域です。家から小学校までの途中にも川や林があり、冬には雪だるまを作りながら登校するようなそんな場所です。小学校からの帰り道は、学校から少し下った所に道路が一本あり、グランベークという小さい洋菓子屋の交差点でみんなそれぞれの家に向かい別れるのが定番の帰り道でした。僕の家はグランベークを右折し、信号2本分の所にありました。いつもそこからは友達と別れ、一人で歩き帰宅していました。

ある時、ふと道路を挟んで反対側の道を見ると同級生の女の子が一人歩いていました。その子は家が僕の家と道路を挟んで向かいであったため、帰り道がグランベークからも一緒なのです。グランベークから家までのわずか5分ほどの距離、その子と帰り道が同じになります。

声をかけようとしましたが、その子は気付かず前を見て歩いていたため、そのまま声をかけずに家まで帰りました。

その次の日も、同じようにグランベークを右折すると、その子もちょうど同じタイミングで、道路の向かい側を歩いていました(そもそも同じ授業を受けているのですから帰りが同じなのは当然ですが)。今日は、はっきりと目が合いました。よし、今度こそ、と思い声をかけようとした瞬間、その子は前を向き、こちらを見ずにそのまま歩いて行きました。

同じことが、何度も続いたある日、僕は、その子と同じ速度で歩くのではなく、少し小走りで10m程先を行きました。

すると、少し遅れてその子も小走りに走ってきて僕の少し後ろまで走ってきました。

それでも、目を合わす事はありません。僕が小走りに走ると同じように小走りで走り、歩みを止めると止まり、また歩き出すと同じように歩き出すのです。

二人の間の道路を車が通り過ぎたら走り始め、次の車が通り過ぎたら走るのをやめ、歩く。次の電信柱まで走ってタッチして止まる。ルールはなんでも良いのですが、二人にしかわからないルールで同じ動きを繰り返す毎日。

帰り道の最中、特に会話を交わすわけではありません。

普段学校で、会話をすることもありましたが、遊ぶグループも違うため、一緒に遊ぶこともなく、たまたま帰り道が同じ時に同じように一緒に(?)帰るだけの関係です。

その関係はしばらく続きましたが、小学校も高学年になってくると、僕は友達とそのまま遊びに行ったりすることが増え、あまり一緒のタイミングで帰ることはなくなっていきました。その頃、その子が誰かと特別仲良くしていた記憶がないのですが、彼女はいつも真っ直ぐ、今までと同じ道を家に帰っていたのだろうか。そういえば、この頃、彼女の家庭環境やあまり遊ぶ友達がいなかったことなんかを確か本人から少し聞いた気がします。

小学校を卒業し、中学校も同じ中学校に進みましたが、今度は僕が部活動を始めたため、帰り道は全く一緒になることがなくなりました。

僕は部活動に夢中になり、彼女は中学に入り、他の小学校から上がってきた少しやんちゃな子たちとつるむようになりました。

派手になり、学校に現れない日もだんだん多くなっていったように記憶しています。

中学に特有のあらゆる噂話が広がり、あまりよくない噂も耳に入るようになり、心配していましたが、あまり話をする機会がありませんでした。

そんなある時、風の噂で彼女が先輩と付き合っているという噂を聞きました。

それを聞いて初めて「ああ、好きだったんだなあ」と気付きました。

一緒の帰り道、どこかで、勇気を出して声をかけていればよかったのかもしれません。

たらればを言っても仕方ありませんが、道路一つ跨ぐ勇気があれば何か変わっていたのかもしれません。