楽しく生きたい

30代都内くたびれたリーマンが日々思うことをつらつら書いていきます

青池保子原作の「エロイカより愛をこめて」のエーベルバッハ少佐ですね。現実にはいないよこんな男!

作者の青池保子さんはもちろん女性ですし、少女漫画家です。ですが彼女の書いている漫画は少女漫画の範囲を超えています。

私のお気に入りはその中に出てくる『クラウス・フォン・デム・エーベルバッハ少佐』ですね。彼はNATO(北大西洋条約機構)の将校です。こういう人が現実にいたら絶対変わり者だと思うのですが。

彼はドイツの貴族の末裔で、お城に住んでいます。お城(自宅)には執事のおじさんも召使も何人もいます。が、現実にはNATOの将校ですからお役人なんですね。実際にこう言う人がいると、お城の維持費や執事さんとか召使さんのお給料はどうやって払っているのであろうかと思います。そうみると、現実ではありえないバックグラウンドが設定されているわけです。

彼の普通でない行動は部下の扱いにも表れています。彼は結構部下を可愛がっているのですが、誰一人実際の名前で呼んでもらっている人はいません。全員アルファベットのコードネームが付けられていて、それで呼ばれているわけです。例えば、『部下A(アー)』とか『部下Z(ツェット)』とか呼ばれているわけです。ちなみに彼らはドイツ人なので、アルファベットもドイツ語読みです。ちなみに部下の中での唯一の美形は『部下Z(ツェット)』でして、青池保子さんは『部下Z(ツェット)』を主人公とした漫画も描いておられます。部下の中にはオカマもいまして、彼は『部下G(ゲー)』と呼ばれています。ゲイボーイのひねり(?)ですね。

漫画のタイトルは「エロイカより愛をこめて」で、エーベルバッハ少佐はエロイカではありません。エロイカはこの漫画の主人公(らしい)のイギリス人の美術品泥棒です。このエロイカは第一話から出できておりまして、同性愛者のイギリスの貴族です。かなり趣味的に窃盗を働く人物で、なかなか耽美主義の人物ですが、この人がエーベルバッハ少佐の相手役というのか絡み役でして、ストレートのエーベルバッハ少佐に片思いしているという設定です。

ただし何巻も話が進むにつれて、エロイカはどちらかというと影が薄くなり、エーベルバッハ少佐が主人公としてのし上がってくるんですよね。ロマンチックな少女漫画風のお話よりも、作者である青池保子さんお得意のハードボイルドの色が濃いいお話が増えてくるにしたがって、エーベルバッハ少佐の独断場になります。

このお話の面白いところは、少女漫画のくせにメインの登場人物が全部『中年のおじさん』でして、その中で、現実の男性よりも男らしいのが、私の愛するエーベルバッハ少佐あなのです。

エーベルバッハ少佐の外見は長身で、筋肉質のやせ型。何しろ最初に書かれたのが20年以上前なので、今の流行とは全然違う、長い黒髪のおかっぱ頭(男性なのに)に、少女漫画にあるまじき『三白眼』です。そういえば20年ぐらい前には長髪男性が流行していたような気がしますね。

彼の周りにいるのは、割と無能に描かれている『万年部長』。常に味方の側に立っているけれども、やっぱり無能なイギリスのエージェントSISのロレンスさん(この人は亜也におちゃらけているので、階級があるのかどうか忘れてしまいました)、そして当然エーベルバッハ少佐直属の部下たちです。

そして、味方なんだか敵なんだかわからない立ち位置にいるのが、エロイカです。ちなみにエロイカの本名はグローリア伯爵でして、この人も貴族の身分であるのが、かつて豪華を極めた昔の少女漫画っぽいです。このグローリア伯爵なるエロイカにも部下がいます。ドケチ虫の経理担当ジェイムズ君(この人もゲイ)、機械万能のボーナム君です。ボーナム君はエーベルバッハ少佐にも認められるほどの有能な人物ですが、どちらかというとお話の中ではおっとりとしたまとめ役という感じですね。この漫画の最初のうちには、エロイカには何人もの名前の出てこないハンサム軍団の部下が何人も出てくるのですが、話を重ねるごとにジェイムズ君とボーナム君しか出てこなくなります。

で、あきらかにエーベルバッハ少佐の『敵』に該当するのが、旧ソビエト社会主義人民共和国のKGBの『子熊のミーシャ』、次点でよく出てくるのが『白くま』です。

KGBは、一般では『ケージービー』と発音されますが、『エロイカより愛をこめて』では『カーゲーベー』と発音されています。幼い時からこの漫画にどっぷりとつかっていた私はかなり大きくなるまでKGBを『カーゲーベー』と発音するものだと信じ切っていました。

この少女漫画とは思えない少女漫画は現在でもお話は続いています。、旧ソビエト社会主義人民共和国がなくなって、KGBもなくなったようですが、漫画は続いています。、旧ソビエト社会主義人民共和国がなくなった後も、この漫画の中では『子熊のミーシャ』は活躍しています。

きっと私と同じように、この少女漫画らしからぬハードボイルドにハマっている根強いファンが多いのでしょうね。ぜひ一度読んでみてください。